「胴上げするのは日本だけ?海外で胴上げはやらないの?」
という疑問を感じたことはないでしょうか。
2023年WBCで、日本が見事優勝した時にヌートバー選手が胴上げされて「初めての体験だったのでびっくりした!」とインタビューに答えていました。
我々、日本人にとってお馴染みの光景なのですがWBCの胴上げの際、海外の記者や周りの外国人たちは何をするのかわかっていないという反応をしていました。
そこで筆者は胴上げは日本だけなのか、海外ではやらないのか、またその起源や胴上げに対する海外の反応というものがとても気になりましたので調べてみました!
この記事でわかること
・胴上げは日本だけの風習なのかどうか
・胴上げの起源はどこなのか
・胴上げを日本のプロ野球でするようになったのはいつから?
・日本人の胴上げ海外の反応は?
胴上げは日本だけの風習なの?
胴上げは日本だけの風習なのでしょうか。
胴上げは野球界においてよく見られますが、球界での胴上げは日本だけの習慣だと思われます。
メジャーリーグでは行われません。
日本だと、ペナントレースを勝ち抜きリーグ優勝した時や、日本シリーズに勝ち日本一になった時にはチームの監督や活躍した選手の偉業を讃えて必ず行われていますね。
WBC 2023でも例に漏れず栗山監督や大谷選手、ヌートバー選手、ダルビッシュ選手が胴上げされていました。
胴上げ前のシーンをテレビを見ていて感じたことがあります。
日本の選手たちが、記者から離れながら手のひらを上に向けた状態で両手を上下させるジェスチャーをしていました。
今から胴上げするんだろうなと日本人の筆者は察することができたのですが、胴上げ準備のため円陣を組む日本チームに対して胴上げを知らない海外メディアの方たちは追いかけ続けピッタリ近づいていました。
そしてダルビッシュ選手たちが制止して離れてほしいというようなジェスチャーを何度も何度もしていました。
その様子に「あれ?海外の人たちは胴上げするの知らないの?」という印象を受けました。
そして案の定分からなかったようで撮影の仕方が大変なことになってしまっていました。
カメラが近すぎて見えない涙
胴上げって日本式なんだ…って思ったけど、確かに海外では見たことないかもなぁ#WBC pic.twitter.com/RoWNuHmfJc
— 柚良 -YuLa- (@yula_fishing) March 22, 2023
下の動画では、見やすいアングルになってますが後方のカメラマンたちが、ぶつかりそうで怖いです。
Team Japan in full celebration mode! 🇯🇵🙌 pic.twitter.com/nHZUrmwwBq
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) March 22, 2023
ヌートバー選手の初めての胴上げ体験、怖そうにしてます。
ジャパニーズ胴上げにビビるタツジよすぎる pic.twitter.com/eK6l232tT4
— 長いおり🎭バーチャルクソ馬券師 (@IoryHamon) March 22, 2023
WBCでのこの様子を考慮し
球界での胴上げは日本だけの習慣だと思われます。
メジャーリーグで見られることは、まずありません。
胴上げの起源はどこ?
胴上げの起源ははっきりしていません。
日本の胴上げの起源と考えられるものは、3つあります
1.善光寺の年越し行事において仕切り役を胴上げする風習堂童子(どうどうじ)
⇒旧年と新年を区切るけじめのため
読売朝刊、編集手帳。胴上げのルーツは一説によると、長野の善光寺の"御越年式"にあるという。年末、僧侶が、"わいしょ わいしょ"の掛け声で、仕切り役の"堂童子"を高々と放り上げる。1300年前から伝わる古えの秘儀は、旧年と新年、日常と非日常を区切る、けじめの意味を持つ。
— だる満 社主 (@vamdaruma) April 6, 2014
2.新潟で行われる厄除けとして厄年の男性を胴上げする神事、裸胴上げまつり
⇒厄除け、悪いものを取り除くため
3.同じく新潟で行われる婿の胴上げという奇習
⇒新婚で興奮しすぎた婿を落ち着かせるため。
1番目の長野県の善光寺説が有力と言われています。
胴上げは江戸時代から
いずれも江戸時代初期の頃には胴上げが行われていたという記録があります。
江戸時代には、どんなタイミングで胴上げが行われたかというと「大掃除の後」でした。
打ち上げのような意味合いかと思いきや、汚れた人を清浄にするために胴上げするということだったようです。
汚れた人を清浄に、なんて言い方だと神妙な面持ちで胴上げをするのかと思ったら、とても楽しそうです。
江戸時代の大掃除は日にちを決めて町中いっせいにやったそうで、終わると男も女も旦那も小僧もみんなで胴上げしたそうな。楽しそうでなにより。 pic.twitter.com/WV00Upgxf2
— 進士 素丸 (@shinjisumaru) December 30, 2021
胴上げの本来の意味
元々は「上に投げることで厄を祓う」という祓い清めるための儀式でした。
これには日本古来の稲作文化が深く関わってきます。
稲の収穫後、良いモミと悪いモミを選別するためにザルにモミを乗せ上下に振り上げて選別していたことが由来するという説になります。
空中に投げて悪いものを取り払う⇒神がかった人を空中に投げてひとに戻す。
日常では味わえない幸せや不幸せを元の状態に戻すために行われたということです。
行事として行われている場合は、祓い清める意味合いになりますね。
胴上げされたら元の状態に戻るどころか余計に興奮してしまいそうです。
一般的な胴上げの意味は祝福、勝利、謝意などがあります。
スポーツや人生の節目における祝福の際に行われることが多いですね。
胴上げのシチュエーション
祝福
・ドラフト会議で指名を受けた時
・選挙に通った時
・受験に合格した時
・結婚式
勝利
・スポーツで優勝した時
謝意
・競技から引退する時
胴上げの危険なエピソード
2005年、阪神タイガースがリーグ優勝した時に岡田監督が胴上げされましたが、なんと途中で落ちてしまいました。
なぜ落ちてしまったのかは明らかになっていませんが動画を見る限り移動しながらの胴上げだったので落ちてしまったのではないかと推測されます。
今年はアレを目指していると散々言っていますので、岡田監督を胴上げする確率が高くなりますね。
阪神タイガースの選手の方々今回は岡田監督を落とさないようにくれぐれもお願いします!
2005/9/29 甲子園 阪神5-1巨人
— Run (@run___photo) September 17, 2020
岡田監督胴上げ!
しかし…
2年前の星野監督胴上げと違って、かなり危険な胴上げでした。誰も監督を掴んどらん(汗)
球児は「この手で監督を胴上げする!」という意気込みでしたが、後ろ倒れになってました(汗)#引退まで1日1球児#1日1球児#藤川球児#阪神タイガース pic.twitter.com/ooqUsPgzL1
胴上げをプロ野球でするようになったのはいつから
プロ野球において初めて胴上げを行ったのは、1950年セ・リーグ初代優勝チーム松竹ロビンス(現在の横浜DeNA)です。
小西得郎監督が選手たちに胴上げをされたことがプロ野球において初めての胴上げになります。
これ以降、優勝すると監督を胴上げするようになりました。
WBC胴上げ【海外の反応】
WBC2023胴上げシーン動画のTwitterでの反応を調べました。
That’s kind of dangerous because someone could get hurt
— E v a n (@StarLordLegoGod) March 22, 2023
I get they are excited that they won but watching this makes me nervous- he has a lot of faith in them that he won’t be dropped😬
— Trachiel Tallchief (@Trachiel_24) March 23, 2023
I know that’s their traditional thing, but that could also be a lifting exercise to prepare them for 2026. Japan always planning ahead.
— Zienata Silviestu (@silquantum) March 22, 2023
・誰かがケガをしそう
・見ていて緊張する
・この胴上げは2026年のWBCに向けてのエクササイズだ
Team Japan in full celebration mode! 🇯🇵🙌 pic.twitter.com/nHZUrmwwBq
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) March 22, 2023
解説の方、笑っていますね。なんだ、これは?という驚きの声を上げられています。
アメリカでは、WBCの胴上げの際にカメラマンが詰め寄っていたということもあり全く知らない文化といった反応ですね。
胴上げは野球よりもサッカーのイメージがあるみたいです。
下記の方は「ヨーロッパリーグみたい」と言っています。
That trophy lift was so funny it looks like they just won the Europa League
— lukas (@speeplebleck) March 22, 2023
上記の方は「トロフィーリフト」と言っていますが英語で胴上げを表現する単語はありません。
以下のような表現になります。
toss (someone) into the air (in celebration)
ヨーロッパでは胴上げを行う
アメリカでは胴上げは珍しいようですがヨーロッパではそうでもなさそうです。
なぜならチェコ、ハンガリー、スェーデン、ロシアなどヨーロッパ東部においては、胴上げが行われます。
下記画像は、スウェーデン皇太子カール・グスタフの胴上げの様子です。
最終試験に合格し、学校の伝統に従って胴上げされるスウェーデン皇太子カール・グスタフ(1966年)https://t.co/flMpCOLN6c … pic.twitter.com/jY8dI15K8t
— たなか💧 (@tanaqua_) July 15, 2018
サッカー界では海外でも胴上げは日常的
21世紀に入ってからスペインのサッカー界で行われるようになりました。
胴上げをスペインに伝えたのは城彰二という説があります。
胴上げの世界への伝搬、こんな感じらしい。マジか。
— ふくめん秘書 (@Fukumen_Ryman) July 15, 2018
長野市善光寺(発祥)
→ 日本国内
→ 城彰二
→ スペイン/バリャドリード
→ スペイン/レアルマドリード
→ 欧州全土
→ 世界(2018年ワールドカップにて)
城彰二=ザビエル説https://t.co/B1HCmkJsVh pic.twitter.com/T3EWBJiAWq
モロッコにも胴上げあるんだと思い調べたら城がスペインで胴上げを教えてそれがリーガで広がり更にヨーロッパあちこちまでみたいな説があると知った、、。
— 札幌国際芸術祭(冬眠)非公式⛄💤 (@SIAF_HACK) December 6, 2022
城→スペイン→今日のモロッコってことなの??
スペインチームの選手たちに「日本人はどのように喜びを表現するのか」聞かれた時に、城選手が「胴上げをする」と答えました。
そこから、ヨーロッパのサッカー界では胴上げは浸透していったようです。
これが本当の話だとしたら影響力すごすぎですね!
今ではスペイン、スペイン圏、フランス、モロッコのチームが胴上げをしています。
なんと!あのメッシも胴上げされています。
【動画】メッシ胴上げpic.twitter.com/XrxdaJj3Dk
— サッカーキング (@SoccerKingJP) July 11, 2021
ちょっと不思議なスタイルの胴上げですね。お顔がかわいいです。
【W杯】“胴上げ&踊り”モロッコ指揮官レグラギ監督 スペイン下し初のベスト8に歓喜#日テレNEWS #サッカーW杯 #決勝トーナメント #モロッコhttps://t.co/GTeGKgzNBb
— 日テレNEWS (@news24ntv) December 7, 2022
まとめ
胴上げは日本だけなのか、海外ではしないのか、起源や海外からの反応をまとめました。
球界においては、胴上げをするのは日本だけです。
胴上げの起源は日本の善光寺説が有力になります。
改めて調べてみると、面白いですね。
WBCでの胴上げに対する海外メディアの反応は、全く知らないのか危なっかしくヒヤヒヤしました。
ですが、サッカーの世界ではヨーロッパ各地に徐々に浸透しつつあります。
城選手がスペインに伝えたなど都市伝説かと思うような事実がわかりました。
球界でも胴上げが世界に広まれば良いなと思っております。